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設計を担当したのは、建築家 北山恒・谷内田章夫・木下道郎の3名。
大学の同級生で、大学院生の時に共同で事務所を立ち上げて18年活動、その後、それぞれの道で集合住宅建築をリードしてきました。
今回、プロジェクト趣旨に3名の賛同を得られ、24年ぶりの再結成が実現しました。

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北山 恒

個室×コモンスペースで、
緩やかに関係を築き成長できる空間。
〜北山恒の想い〜

L棟はトイレやシャワー、ベッド、クローゼットにデスクを機能的に配置したコンパクトな居室に加え、建築計画学で最適とされる10名くらいのコミュニティスケールに対応する、魅力的な共有空間(コモンスペース)を用意しています。1階の「キッチン・コモン」では簡単な調理が行え、2階の「ライブラリー・コモン」では、吹き抜けを望むロングデスクで勉強や読書など、おのおのの時間を有意義に過ごすことが可能です。また、L棟にはレストランを併設。学生がC棟やH棟の学生も含め健康的な生活を送れるようにサポートしていきます。
私は集合住宅の設計を通して、緩やかにお互いが関係できる空間形式を目指してきました。C・L・Hも同様の思想で設計しています。日常生活を通して共同性を感じ、お互いに感性を響かせ合い成長する場としていただけたらと考えています。

北山 恒 Koh Kitayama

1950年生まれ。横浜国立大学大学院在学中、1978年ワークショップ設立(共同主宰)。1995年archiecture WORKSHOP設立主宰。横浜国立大学大学院YGSA教授を経て、2016年法政大学教授。2010年ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展コミッショナー。建築作品「洗足の連結住棟」で日本建築学会賞作品賞、ARCASIA建築賞ゴールドメダルを受賞。著書に『TOKYO METABOLIZING』『都市のエージェントはだれなのか』『モダニズムの臨界』など。

北山 恒デザイン
谷内田 章夫

想像力を喚起する、ゆとりのある空間。
〜谷内田章夫の想い〜

C棟は立地の特徴を活かした、天井高最大3.5mという広がりのある空間が最大の特徴です。独立性を高めた集合住宅形式で、住戸内はコンパクトながら生活を充足できるよう機能的に設備を配置しています。居室の床はプライバシーを重視し、道路より34cm高く設計。奥の水回りは23cm下げ、その上に天井高140cmのロフトを設けました。高低差210cmのロフトは上りやすく、居室とつながった天井は専有面積いっぱいの開放感あふれる空間性を感じていただけます。住棟の間にはコモンスペースを設けました。コンクリートの土間空間にはテーブルや椅子を設置したり、ワークショップのスペースとして活用したりと、学生同士のコミュニケーションの場となります。
吹き抜けや居室のつながりなど空間に変化をつけたC棟は一言で言うならクリエイティビティを促す触媒です。建築空間の豊かさを身近に感じ、感性をより磨いてください。

谷内田 章夫 Akio Yachida

1951年生まれ。東京大学大学院建築学
専門修士課程修了後、「ワークショップ」を共同主宰。個人事務所としての活動をスタートさせてからは都心部の単身世帯向け住宅やSOHO向け賃貸集合住宅など100棟以上の設計を手がける。高さに変化をつけた建築的な空間の面白さ・豊かさを身近に実感できる住宅に定評がある。

谷内田 章夫デザイン
木下 道郎

合理性を追求した自由度の高いドミトリー。
使い始めてから成長する建築で感性を磨く。
〜木下道郎の想い〜

H棟の居室はトイレと浴室を備えた独立性の高いスペースとして設計しました。最大の特徴は大型ダイニングテーブルやラウンジ、ライブラリーを備えたキッチン・コモンでしょう。個室とキッチン・コモンを使い分けることで、常に学生同士が交流し合う豊かな生活を楽しむことができます。入るとまずキッチン・コモンに入り、その奥にある個室に入ります。路地の雰囲気が漂う廊下経由で居室にアクセスするタイプや水回りを間に挟むことでプライバシー性を高めたタイプ、また、道路から直接アクセス可能な土間を設け、アクティブな学生生活に応えうるプランなどバリエーションも用意しました。
合理性を追求したH棟は、住まう人の感性次第でいかようにも活用できるはずです。建築は使い始めてから成長するもの。世界でひとつだけの空間で、オンリーワンの生活を送り、感性を無限に伸ばしていっていただきたいと思います。

木下 道郎 Michirou Kinoshita

1951年生まれ。横浜国立大学大学院修士課程修了後、「ワークショップ」を共同主宰。1995年より「木下道郎ワークショップ」を設立、集合住宅から商業施設まで幅広い建築を手がける。日本大学居住空間デザインコースの非常勤講師、三鷹市の市民活動参画など精力的に活動。代表作は「ドッグ・ハウス」「霧の蔵ブルワリー」など。資源を有効活用した合理的空間作りにこだわりを持つ。

木下 道郎デザイン